「安心しろ。別にお前を捕まえよう、
という訳ではない。
美術館と警備会社との取引で、
ガラスふき布を守る代わりに
お前と二人で話す時間をもらった」
驚くほど冷たく、
感情のこもらない声。
「ただ、二つほど忠告を、と思ってな」
「忠告……?」
忠告。こんな心のこもらない
忠告ってあるんですか?
「そうだ。お前が怪盗行為を行ってる理由、
それは怪盗紳士淑女協会にスカウトされ、
伝説の怪盗マハーラーに会うためだな」
「……よく知ってますわね」
何で知ってるんだろう。
地方ニュースのインタビューで
答えたからだろうか。
「だが、こんな小さい美術館で、
安い布を盗もうとしているようでは、
いつまで経ってもスカウトは来ない。
私の掴んだ情報によると、スカウトには、
盗みの成功率、手口の華麗さ、
対象の選び方、……などの様々な基準がある。
だが、一番重要なのはやはり金額だ」
「……金額」
盲点でした。
「そうだ。金額だ」
「……もう一つの忠告は?」
「……旧EUで活動していた怪盗、山田十字郎。
そいつが、おそらくもうすぐ日本に来る」
「……誰?」
「……日本では有名じゃないか。
でもBBCニュースを見れば話題になってる」
「……そう」
「気をつけろ。奴は他の怪盗を殺す」
「殺すの!?」
「ああ……それだけだ。
今日はもう帰って寝ろ」
……殺す……?他の怪盗を……?
どうして……?
「待って!」
そう言った時にはもう遅く、
彼女は既に姿を消していた。
……殺される?私も?……
でも、諦めるつもりはありません。
必ず、山田十字郎の正体を突き止め、
警察に逮捕してもらいます!
……それにしても……
あの胸の大きさ……いけ好かない……
やはり本当の大人は違いますわね……
という訳ではない。
美術館と警備会社との取引で、
ガラスふき布を守る代わりに
お前と二人で話す時間をもらった」
驚くほど冷たく、
感情のこもらない声。
「ただ、二つほど忠告を、と思ってな」
「忠告……?」
忠告。こんな心のこもらない
忠告ってあるんですか?
「そうだ。お前が怪盗行為を行ってる理由、
それは怪盗紳士淑女協会にスカウトされ、
伝説の怪盗マハーラーに会うためだな」
「……よく知ってますわね」
何で知ってるんだろう。
地方ニュースのインタビューで
答えたからだろうか。
「だが、こんな小さい美術館で、
安い布を盗もうとしているようでは、
いつまで経ってもスカウトは来ない。
私の掴んだ情報によると、スカウトには、
盗みの成功率、手口の華麗さ、
対象の選び方、……などの様々な基準がある。
だが、一番重要なのはやはり金額だ」
「……金額」
盲点でした。
「そうだ。金額だ」
「……もう一つの忠告は?」
「……旧EUで活動していた怪盗、山田十字郎。
そいつが、おそらくもうすぐ日本に来る」
「……誰?」
「……日本では有名じゃないか。
でもBBCニュースを見れば話題になってる」
「……そう」
「気をつけろ。奴は他の怪盗を殺す」
「殺すの!?」
「ああ……それだけだ。
今日はもう帰って寝ろ」
……殺す……?他の怪盗を……?
どうして……?
「待って!」
そう言った時にはもう遅く、
彼女は既に姿を消していた。
……殺される?私も?……
でも、諦めるつもりはありません。
必ず、山田十字郎の正体を突き止め、
警察に逮捕してもらいます!
……それにしても……
あの胸の大きさ……いけ好かない……
やはり本当の大人は違いますわね……
