「あたしね・・・昨日初めて有士くんと会ったの。でも・・・初めて見たときから有士くんに惹かれてた。」
そう言うとえりかはどこか寂しげに笑った。


奈々は何も言わず黙って聞いている。



「それで有士くんにお酒勧めてベロベロに酔わせて、無理やり家に押しかけたの。最低でしょ?でも・・・それくらい欲しかったのよ。有士くんが。」


えりかはどこか寂しげで、そして投げやりで、からかうような口調で続けた。


「それで、シャワー浴びて上がったら有士くんがベッドに寝転んでたからあたしはその横に裸で寝転んだ。そしたらあたしの狙い通り・・・有士くんはあたしを襲ってくれた。でもね・・・。」


そこまで言うとえりかは顔を覆った。


「有士くんったらね・・・奈々、奈々って・・・呼ぶの。あたしのこと抱きしめて、苦しそうに奈々・・・って・・・・・。」


えりかの目からは涙がこぼれ落ちた。



「そしたらさ・・・有士くんそのまま寝ちゃってさ・・・結局何もしてないんだよ。バッカみたいだよねー。」
えりかは泣きながら笑った。