「おいっ!!なんとか答えろよなっ!!!せっかく俺が慰めてやろーと思ってんのによっ!!!」


俺が立ち上がって帰ろうとするとあいつは俺の腕を掴んだ。
「なっ何すんだよ・・・っ!?」
「・・・お願い。今だけでいいから・・・そばにいて欲しいの・・・。」


いつも俺達はふざけていたから、こんな真剣な奈々の顔を見るのは初めてだった。


「しょーがねーな・・・。」
俺はまたいすに座って奈々の話を聞いてやった。



「先生ね・・・もう自分がやってること全部間違ってたのかな・・って思うの。一生懸命生徒のためだってやってきたこと全部否定されて・・・あたし何を間違ってたのかな・・・?」

そう言ってあいつは涙をこぼした。


「別に正しいとか正しくねーとか・・・周りの人間が決めることじゃねーだろ。いちいち気にしすぎなんだよっ。」

俺は優しい言葉をかけるのも恥ずかしく、くさい言葉も思いつかなかったからただ正直に思ったことを率直に言った。



なのに、奈々は笑った。
「そだね・・・。加藤くんに言われるなんて馬鹿みたいだね・・・。少し生きるのが・・・残酷すぎたんだよね。」


奈々はもう泣き止んでいた。