奈々は俺の顔見ると、泣き出した。


俺達はしばらく見つめ合っていた。


「前田さんと一緒に帰ったんじゃなかったの・・・?」
先に口を開いたのは奈々だった。

俺は黙っていた。

「なんで戻ってきたの・・・?」
「お前に会いにきたに決まってんだろ。」

俺は恥ずかしさをこらえてそう言うとゆっくりと奈々に近付いていった。

「俺と奈々のことがバレて、口止めに1週間だけ付き合ってた。」
俺は本当のことを言った。




「ほんと?」
奈々は疑わしげに聞いてきた。
「ああ。」
「じゃあ・・・信じる。」
奈々はそう言って俺に抱きついてきた。


「重いってのーやめろよなー///」
恥ずかしくてつい思ってもないことが口から出てしまう。



「お前なー先生がそんなことでどーすんだよ。」
俺は冷たく言った。
「だって・・・ひっく・・・っ・・。」



しょーがねーなー・・・・


俺は心の中でそうつぶやいて優しく奈々の頭を撫でた。