でももう・・・いつも通りの俺達ではいられない。
奈々の体にはもう一つの命が宿っているのだから。


「あのさ・・・子供のこと考えたんだけどな。」
俺がそう言うと奈々はビクッと震えて体を硬直させた。
「・・・うん。」



「俺は高校生だから養うこともできねーし、責任取れって言われても何もできねー。堕ろせって責任逃れしか考えてなかった。」

俺のその言葉に奈々はうつむいて涙をこぼした。







「でも俺、子供産んで欲しいんだ。」
「っ・・・!!」
奈々はいっそう激しく泣き出した。
「あたしで・・・いいの?」
「ああ。お前だよ。」


奈々は泣きじゃくりながら俺の胸に顔をうずめた。