「加藤くん・・・・?」



もういい。伝えてしまえばいい。


俺の中でどこか投げやりな気持ちが生まれたようだった。


「好きなんだよ。別れてお前が他の男と付き合えば幸せになれるって思ってた。でも俺、お前のこと好きなんだって。」



俺は恥ずかしさをこらえてそう伝えた。
「加藤く・・・」
奈々は驚いて俺の顔を見ようとしたが、俺が無理やり止めた。
「顔見んなっ///」


そう言ったのに奈々は俺の腕をすり抜けて俺の顔を覗き込んだ。
「・・・真っ赤。」
奈々はそう言って自分の頬も赤く染めた。




「ね・・・もっかい言って?」
そう言うと奈々はペロッと舌を出して可愛く笑ってみせた。
「ばか。」
俺はそう言うと奈々の頭を軽く叩いた。



いつもの俺達に戻ったような瞬間だった。