2人きりになると重たい沈黙が続いた。


あの話・・・全部聞かれてた・・って・・ことは・・・
せっかく奈々のこと諦めようと思って冷たくしたのに、好きだってことがバレちまったじゃねーか・・・・。



俺は困って何も言えずにただ座り込んでいた。




「か、加藤くん・・・・?」
恐る恐る奈々が俺の名前を呼んだ。



なんでだろう。
久しぶりだからか、名前を呼ばれただけでこんなにも愛しくなった。



「ん?」
俺は優しく答えた。


その瞬間、奈々は泣き出した。
「おっおい、何泣いてんだよ。」
「だって・・・嬉しくて・・・っ。」


俺は気付いたら奈々を抱きしめていた。
すげーぎこちない抱きしめ方だったけど。