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「篠宮悟です。小学校までこっちにいたから、知ってる人も何人かいてちょっと安心しましたー。よろしくお願いしまーっす。」
校庭に篠宮くんの気の抜けた声が響く。
始業式の次の日からさっそく、篠宮くんはサッカー部として活動し始めた。
サッカー部には近藤くん以外にも何人か篠宮くんの知り合いがいるらしく、篠宮くんはあっという間に部のみんなと打ち解けた。
「ラストーっ。」
声をかける。
筋トレをしていた全員がスパートをかける。
篠宮くんも。
額から流れる汗が、キラキラと光った。
「おわりーっ。おつかれー。次のメニューいく前に水分補給どうぞ。」
水をとりにきた何人かにボトルやタオルを渡す。
篠宮くんには少しゆっくりと渡した。
篠宮くんはわたしから、ボトルとタオルを受け取ると、ふと横を向いた。
そしてなにかに気付いたように笑って手を振った。
わたしもその方向をみる。


