「な、なんであいつにファンなんて
いるのよ…」
ありえないありえない!
あんなにびっくりするほどの
生意気なちびのくせに。
皆目おかしくなっちゃってるよ?
「山下君は小柄だけどすっごい
バスケ上手くて。
ほんとにすごいんですよ。
ほら。」
苺ちゃんが指さした先には
軽く汗をかいた山下君。
すばやく風をきってコートを
駆け抜け、軽快なパスを回す。
大きな先輩たちの中に混ざって
ボールをキープしながらすり抜ける。
3ポイントラインの手前で止まったと思ったら
大きく沈み込みその反動で
バネのように跳ね上がる。
まるで空を飛んでいるかのように。

