「俺、山下光輝。 エース候補なんで。 よろしくね、先輩。」 そう言うと私を少し見上げて ふっと笑い通り過ぎた。 少しだけ、シャンプーの香り。 「あ、先輩。」 教室のドアの前で立ち止まり 振り返る山下君。 少し口角を上げて言う。 「先輩って、片岡先輩のこと 好きなんだね。」 それだけ言うと走って体育館へ 向かっていった。