「先輩っ」 先輩はもう大きな木の下の ベンチに座っていた。 「す、すいません、 遅れちゃって…」 はぁはぁ、と息を切らしながら 謝る。 すると先輩は嫌な顔ひとつしないで にこりと笑い 「いいよ、ご飯たべようか。」 そう言って私の頭をぽんぽんと 撫でた。 先輩の手は大きくてあったかい。 わたしは頭を撫でられるたびに 心がふわりと浮く。 やっぱり私は先輩のことが ちゃんと好きなんだ。 ちゃんと、前を向いていってる。