パタパタ…



息を止めて体育館まで走って
戻ってきた。



未だに状況がいまいち
つかめていない。




そんなとき。







「なにしてた?先輩。」






しゃがんで靴ひもをゆるませている
私の頭の上から声が降る。






「山下…君…」





一瞬目が合ったがすぐにそらす。


逃げられない気がしたから。