引退式の後、私は片岡先輩に 呼び出され、体育館の裏へまわった。 何の仕事だろ… そう考えながら先輩を 探した。 「あ、上原さん。」 そこには目を少し赤くした片岡先輩。 さっきまで泣いていたから 鼻までも少し赤い。 「何か用ですか?」 「ああ、それなんだけど…」 急に下を向く先輩。 汗で濡れている髪の束が ぱらりと動く。 そしてゆっくり話し始めた。