マリアが来賓客用のホール(食事の為の)に着いた時、自分の他は全員席に着いていた


「皆さん、おはようございます。お待たせしてしまったようですね」


軽く頭を下げ、席につく


「姫様、おはようございます」


「気にするな」


魔導師達とライの言葉の後、朝食が運ばれてくる


パン、サラダ、豆類のスープが運ばれ、全員の前に並べられる


本来、一般人が食す様な質素な食事で王族が食すものではないが、ここは神殿


食事は来賓の地位に関係なくこのメニューなのだ


食事を運んできたシスターの1人が手を組み、祈りを捧げる


それに皆が習い、その後に食事に口をつけた






「ところで、ハースト殿はこれからどうなさるので?」


朝食を終えた後、魔導師が尋ねる


「ライエ付近の集落でハンター契約を結ぼうかと…」


ハンター契約
集落、又は街と月単位で契約し、その街に(住居、生活費は支給される)定住する。


魔物が現れれば即時駆逐し


大きな街ならともかく、集落が大金を要するハンター契約を結ぶのは難しい


「いくらライエ周辺の集落でも無理なんじゃない?」


ターナが食器を運びながら問う


高位魔導師の自分が敬語を使う相手に侍女がタメ口を聞くので少し睨みを効かせたが気にしてないようだ


「今年は(赤い月)がある。そう難しくはないだろ」


ライの答えにターナは頭に?を浮かべた


「一般人は知らないだろうが、3年に一度、(赤い月)が上る期間がある」


「その期間、魔物は普段より活発化、異常増殖する」


ライの説明に魔導師が補足する


ターナとマリアは無意識に両手で自分を抱いていた