マリアは眩しい朝日を受け目を覚ました


ーーーもう、なのですねーーー


清々しい朝とはうって変わり、マリアの心は沈んでいた


神殿に着いたのは一昨日


今日は追加の護衛として騎士団が到着する日だ


ライの護衛は騎士団が到着するまで


だから今日彼はマリア達と別れる


神殿に着いてからはマリアは戴冠式の打ち合わせ、ライは神殿の巡回


本当はもっと話したかったのだが、そんな暇はなかった


ーーー結局、彼と話せたのは1日程度ですねーーー


残念で仕方なかった


このまま王家に仕えてもらえないかとも思うが


ーーー彼には彼の人生がありますよね。我が儘で引き止めるなんて…ーーー


出来なかった


元々他人に遠慮がちなマリアにはそんな事は出来ない


「マリア様?起きてますか?」


ドアをノックしながら入ってくる侍女のターナ


「起きていますが…ターナ、返事を聞かず入ってくるならノックの意味が…」


「あ、あ~…そ、それより!朝食の準備が出来てますから早く来て下さい」


それだけ言うと、ピュ~と出て行ってしまった


マリアはクスクスと笑いながら支度を整え始める


「あら…?」


寝着を脱ぎ、クローゼットを前にしてある考えがよぎる


身なりの世話は侍女の仕事ではなかったのか、と


どこまでも頼もしい侍女に苦笑を浮かべた