白緑蝶"vacances【続2】

崇の言うように向こう側でお酒
を飲んでいる白人女性が、二人

崇や航を見て、ニコリと微笑ん
でいる。

「ワタル、タカシ
 わかってんだろうな

 女引っ掛けて今晩
 遊ぼうだなんて思うなよ

 おまえ達にも俺をちゃんと
 別荘に連れて帰る義務が
 あるってこと忘れんな」

「義務ねえ?

 放棄するってのは」

「なしだ」

こうして、おしゃべりをしなが
らお酒を飲み続け、時間はどん
どん過ぎて行く。

そこに現れる、香月とタマラ。

「あっ、ソラさん
 
 テオくんに、みんなまで
 いらしてたんですか?」

「テオ」

テオは、タマラの呼びかけに
手を一度、軽く振って答える。

彼女はとても悲しい顔をした。

「そうだ、後で、僕達も
 皆様とご一緒させて頂いても
 構いませんか?」