白緑蝶"vacances【続2】

「早くしろよ
 
 こんなもん要らない」

そう言ってソラは私のパーカー
も砂浜に放り投げた。

「モモちゃん、ごめん

 ゆらのことちょっと頼むわ」

「はい、オッケーです」

「ゆっくり、どうぞ」

香月さんの言葉にソラは深く息
を吐いた。

「何がゆっくりどうぞだ
 人の女と・・・・・」

ぶつくさ言ってるソラに、私は
問いかける。

「ソラ、何?」

「俺以外の男とぐだぐだ
 しゃべってんじゃねえよ」

その声は、百枝はもちろん香月
さん、遠くマスミ達にまで聞こ
えたみたいだった。

みんなが私達を見てる。

「ソラ、くだくだなんて
 話してないよ」

「じゃあ、聞くけど
 
 俺が手振ったの
 
 おまえ、見たか?」

見てない・・・