白緑蝶"vacances【続2】

何だか怖くて貴方から逃げよう
と上体を起こそうとした私に
覆い被さる貴方。

私を、見下ろして悪魔は囁いた

「言えよ

 妬きもち?」

「ちがう
 そんなんじゃない」

貴方から顔を背ける私に

貴方はもう一度。

「妬いてる・・・」

「そ・・・」

そうだと言いかけた声に被さる
貴方の声。

残酷な貴方の言葉。

「(妬いてる)・・・
 
 なら、要らない
 
 面倒なだけだ」

そう、吐き捨てるように言った
貴方は、至近距離、冷酷な瞳で
私を見つめる。

面倒なだけ・・・

ねえ、言ったでしょう?

グサッ

ほらっ、またひとつ傷は増える