白緑蝶"vacances【続2】

電話の相手は、もしかして女性

・・・・・・

そうだとしたら、きっと私より
も貴方と付き合いが長く私より
も親しい女性。

だって、私が一度もかけた事の
ない貴方の携帯の番号にその人
は電話できるんだもの。

私が一度も、一緒に朝を迎える
ことができないのにできる人?

まさか、この間の女性・・・?

グサッ・・・

ほらね

傷跡は、どんどんどんどん
深くなる。

涙を堪えて、この傷に私は耐え
なきゃいけない。

ほんの少しでも貴方の、ソラの
傍に居たいなら。

カタッ・・・

「ユラ、おまえ、居たの?」

「お酒、私にもちょうだい」

「ああ」

貴方は、赤ワインをグラスに
注いでくれた。

「ありがとう」