白緑蝶"vacances【続2】

真澄は、私達に大きな声で言う

「ほらっ、行くぞ」

お店を出た後、百枝から離れた
真澄は今度はヤマトの肩に腕を
回した。
 
「ヤマト、トイレだろう?

 どこだ、探すぞ」

「マスミ

 テオさんに聞いた方が
 早いと思うよ」

「そうだな、テオ・・・」

真澄は以前にも会った事がある
ヤマトとはもう打ち解けている
みたいだった。

そんな二人の後ろ姿をぼーっと
見つめている百枝に私が声を
かけると、百枝は買ったばかり
の帽子を深く被り顔を隠し少し
前を歩きながら言う。

「お腹空いたわね
 
 今夜は何を食べるの
 かしら?

 楽しみ~」