白緑蝶"vacances【続2】

あの頃の私は、ソラの深い声が
聞きたくて、ずっと肌身離さず
携帯電話を持ってた。

ソラ、貴方と結ばれたあの日か
ら、毎日毎日毎日・・・

いつ鳴るかも、二度と鳴らない
かもしれない携帯を握り締めて
張り裂けそうな胸を押さえ苦し
い時を過ごしてた。

ゆらが、出したシャワーの音が
響く浴槽。

ザーーーー

ソラ・・・

時は戻る・・・

貴方に抱かれて、熱く火照った
体にシャワーを浴びる私の姿。

ザーーーー

さっきまで感じていた狂おしい
胸の高鳴りは、やがて、消え

とてつもない虚しさとなり悲鳴
にかわる。

バタン・・・

閉まるドアの音を聞くことに

私はまだ、慣れてない。

枕に顔を埋め、肩を震わせる
私は、まだ、穂坂ひわ、22歳。

『ヒワ
 辛い想いしてたんだね?

 アンタの恋心が報われて
 本当に良かったよ』

報われるだなんて
これっぽっちも思ってなかった