白緑蝶"vacances【続2】

今度は、私がソラの手を強く
握り締め頭を左右に振った。

「ソラ
 もう、終わったことだよ」

「ああ

 そうだな」

「ごめんなさい

 私ったら・・・

 本当にごめんなさい」

タマラさんは、私の前に立ち
深く頭を下げてくれた。

前へと垂れる長いブロンドの髪
が床につきそうなほどに深く。

「タマラさん
 もう、終わったことですから

 こちらでの暮らしの中で何か
 困ったことがあれば、何でも
 聞いてください」

私の言葉に驚いてるのはタマラ
さんだけじゃない、私本人も
ビックリしてる。

「ありがとう」

だけど、私は、心からそう言え
たんだ。

「ヒワさん

 ありがとう」

かっちゃんがどうして香月さん
夫婦を、この場所に招待したの
か私もソラもわかったよ。

蟠(わだかま)りは蟠りのまま
心に持ってちゃいけない。

心に置いてちゃいけない。

例え、喧嘩したとしても、吐き
出さなくちゃずっと終わらない

「カッちゃん、ありがとう
 スッキリしたよ」

「そう、一発ぐらい、彼女の頬
 打たなくてよかったの?」

「うん
 
 打つと手が痛くなるもん
 痛いのは、嫌」

「だな?」