白緑蝶"vacances【続2】

真澄のこと見つめていると
何だかよくわからないけど
だんだん緊張してくる、私。

ドキドキ、ドキドキ・・・

「何、緊張してんの?
 
 ヒワ、おまえ

 俺の、オカン?」
 
そう言って真澄は、悪戯な
微笑みを浮かべて、今度は
前髪をサイドに流してある
私のおでこを弾いてみせた。

あっ、そっか

緊張しちゃうのは、母親
みたいな気持ちからだね。

「もう、痛いなぁ」

笑い合う声に紛れて、私は
ぼそっと呟いた。

「かっこいいよ」

その声が真澄に届いたかは
わからないけど、真澄は
ニッコリ微笑んでくれた。

「ところで、ソラ、まだ?」
 
「車、停めに行ってるらしい」

「車?

 家と店
 こっからそこなのにかよ」

「こっから、そこじゃないよ
 もう少し遠いよ」

「まあまあ、ヒワ
 細かいことはいいじゃない

 それより、もうたくさんの
 人が集まってるね」

店内には、ソレイロリアの
メンバーはもちろんのこと

「ヒワにセナ、サキちゃん
 ご機嫌よう
 
 それにしても、ソラ
 遅くないかい?」