白緑蝶"vacances【続2】

「ああ、おまえの言葉
 この胸に響いたわ

 重く・・・

 おまえのこと
 大事にしなきゃな」

ソラは苦しいぐらいに
私のことを抱きしめて
放してくれない。

「ソ(ラ)・・・」

貴方は、私の耳元
小さな声で囁いた。

「もう何もいらないから
 せめて愛をください」

「えっ?」

艶のある、深い声・・・

そして、貴方は息を大きく
吸ってその言葉の続きを歌う。

一音も外すことなく、完璧に。

「もう誰も愛せないから
 せめて好きでいさせて

 Ice green butterfly♪

 君の夢の中
 僕に会えるから
 どうか目覚めないでくれ
 ・・・」

うそ・・・

貴方が今、こんな人ごみで
歌った曲は

Ice green butterfly。