今日も文化祭の準備だ。

メイドカフェの店内装飾が
プラネタリウム風らしいから
意外と準備が大変なのだ。



そして、どうすればサボれるか考えるあたしは要注意人物らしく
常に秋に見張られている。


“佐々木さんいいなー”とか言われるけど、
好きでこんな事やってたら
ただの馬鹿だ。



でも、あたしに救世主がやってきた。



『弥生。』

低くて、甘いバリトンの声。
それは秋と同じくらい、美男子で小学5年からの付き合いの奴。

海野楓〔ウミノ カエデ〕。
彼は長身ですごくクール。
お兄ちゃんみたいな雰囲気で、
あたしをすごく甘やかすから
秋がいつも怒るのだ。


頭の良い彼はテスト前になると
みんな同じマンションなので
楓の部屋に集まって、勉強会を開く。



楓は秋やくるちゃんの中で唯一、あたしの夢を
応援してくれてて
あたしの歌をいつも聴いてくれていた。


秋には知られてしまったが、
隠しているつもりはないから
くるちゃんにも言おうと思う。



楓には何かあったら、色々言っていたから必然的に歌う事も相談していた。