そして、また塞がれた口。




だけど、それは一瞬で離され、彼と見つめ合う形になった。





そして、途端に真剣な顔つきになる彼。





何も言わずとも分かる。彼が言いたい事。




それは一応彼の立場上確認しなければならない事。



いや、下手したら確認しても駄目な事もある。






執事とそのご主人様。








だけどさ、



仕方ないじゃない。






ー私はあなたに溺れてしまっているんだから。





だから私は言ってやった。




皮肉を込めた満面の笑みで









「...好きにして?」


と。






その瞬間、彼の顔がまたあの意地悪な顔になったのを私は見逃さなかった。






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