錆びついた校門を、久しぶりにくぐる。

ハワイから帰国して来た私、雨水陽果は、1年ぶりに東高校を訪れた。

匂いは、変わっていなかったが、雰囲気が違っていた。

それは、あと一年で独立出来るとしの準備地点に立っている立派な高校生と変わっていた。

ーーーガラガラガラガラーーー

「ちぃす…」

………。あれ?

「陽果!久しぶりじゃん!」

「反応遅いよ…」

安心した私をみて一人の男の人が抱きついてきた。

「ひょえ!」

「はーるーか!」

それは、愛しい声。聞きたかった声。会いたかった声。

「りょぉたぁぁぁぁ」

周りは爆笑しているが、そんなの構わない。
好きだから。

「浮気してねぇよな?」

私は、頷く。

「けがしてねぇか?」

私は頷く。

「会いたかったぁぁぁぁぁあ」

私は…抱きつく。

周りはまたもや、爆笑。

愛おしさのあまり、キスをしたくなる。

泣きたくなる。逃げたくなる。二人っきりになりたい。

そんなわがままは、通るはずもなく、授業は始まった。

「雨水!久しぶりだな!元気だったか!」

このセリフが一時間一時間言われる。

うれしさもあれば、めんどくさい一面もある。