あんなに晴れてた・・・。
さっきまではあんなに晴れてたのに。

あなたが居なくなってしまったこの世界は・・・
真っ黒な雲におおわれていて冷たい雨が降っていて・・・。




私、涼木香絵には双子の妹、涼木香世がいた。
香世と私は、よく似てないって言われた。
もちろん、双子だから顔はそっくりなんだ。
でも、雰囲気や性格がまるで違った。

香世は学年1の美少女だった。
少し茶色く、ゆるいウェーブがかかったつやつやの長い髪の毛。
長いまつげにふちどられた大きな黒い瞳。
ぷっくりとつやのあるピンクの唇。
とても細くて白い手足。

性格もとても明るくて優しくて・・・
どこをとっても完璧な女の子だった。
もちろん、そんな香世はモテモテで。

それにひきかえ、私は顔そのものはそっくりだった。
でも、どこか人を寄せ付けない暗いオーラ。
人見知りなのか、まともに初対面の人とは話せない。
いや、初対面の人だけじゃない。
香世以外の人とはまともに話せなかったかな。

そんな、わたしと似ているけど全然違う香世のことが私は大好き。
私たち双子はとても仲が良かった。
いつも肩を笑いながら「大好き。」と言い合っていた。
そんな香世がいる生活は、とても充実していて・・・。
とても楽しかった。
ずっとこんな幸せな生活が続いていくって思ってた。
このさきずっとずっと続くって・・・。

でも、そんなことはなかった。
この世界に、「永遠」なんて言葉は存在しないんだ。

そう気付いたのは、つい昨日のことだった。