【短篇】君ともっと。

「…キス……。いい…?」


あと10センチ。


あと8センチ。


距離は縮まる。


「…うん。」


あと…。


唇が触れてる。


今、咲と。


「…っはぁ…んぅ…っ。」


愛しいってすごく思う。

咲が…、俺を欲しいって思って、今…。


涙出ちまいそう。


俺は、唇を名残惜しそうに離した。


「…っはぁ…。長すぎやで、自分。苦しいわ。」

「うん。ごめんね。」


俺は、締まりない顔で笑った。


だって、すごく幸せだから。


まわりから見たら、キスごときで。とか思うかもしれないなぁ。


俺はそんなことを思いながら、キスの余韻に浸る。


そして、咲の顔が浮かんできた。


「咲…。俺のこと、…怖がらないで欲しい…。」


「…ん??」