【短篇】君ともっと。

「俺…、もう…しないから…。咲が、俺を欲しいって言うまで。キスも、それ以上も、全部。」


俺は、いたって真剣だ。

咲を泣かせるくらいなら…。


腫れぼったい目をした咲は、それを聞いてまた泣き出す。


ええ…!?


また…泣かせてしまって…。


「ご…ごめん。」


とりあえず謝る。


「…っう~~。それも…嫌やぁ…。」


「ええ?」


「そんなん嫌やぁ…っ。焦ってるんも嫌やけどぉ…、ウチはっ!!」


俺は戸惑う。


咲は、俺の制服を掴みながら言う。


「十馬…がぁ、ほ…、欲しいって…思ってるにぃ…決まってるやろぉ…!!そ…それを…、ウ…ウチに言わす気ィなんかぁ!!」


咲は、言い終わると俺の胸にもたれて泣いた。


俺は咲の背中に手を回した。


咲はそれを拒まない。


「咲は…、俺のこと…、欲しいの??」