まだ子供のように見える。 黒いシャツにジーンズのオーバーオール。 帽子を被っているから髪の色は 分からないけど、 手に持った大きな花束が目を引いた。 肩に黒猫を乗せたその子はこちらを見上げ、 ヒラヒラと手を振った。 そして降りて来てと言うように、 手招きをしている。 ちょっと戸惑ったけど、 こちらを見上げる顔は無邪気に見えて、 私は部屋を出て玄関に向かった。 ドアを開けると、 その子は同じ場所に立っていた。