俺は、裏庭で横たわっている貴都の隣に座った


「今日も完敗か」

あいつは悔しそうに言うけど

お前のそのまっすぐに俺を見てくる目がたまに怖くなる

だって、
俺には持ってないものを貴都が持ってるから


「弱いのに喧嘩吹っ掛けてくる奴がいけねぇんだよ」


顔に一発入れちまったせいで、唇が切れてる貴都の顔を見ていった


「いつか絶対勝って、あいつの全部を手に入れるんだ」


そう言ってほほ笑んだ貴都は俺にないものを持ってると

俺に確信させる

俺をこれ以上みじめにして何が楽しいんだよ


そう言ってやりたいが、

俺に負けたと思っている貴都に真実を言いたくない


お前は百合のすべてを手に入れられる男で、俺はお前にかなわないなんて

口が裂けても貴都には言ってやんない