言い方が雑すぎて申し訳ないが、どこの馬の骨ともわからない男とビールを飲んでいる。話が進んでいる。
人との出会いやフィーリングって、ほんとに不思議だ。
「さとみちゃんて、ずっと三茶に住んでいるの?」
「うん。生まれも育ちも三茶」
「じゃあ今も実家なんだ?」
「それが一人で暮らしているんだよ。父と母は父の実家の仙台に帰ってしまったから」
父と母は仙台出身だ。
五年前、父が実家に帰ろうと言い出したが、三軒茶屋が大好きな私はどうしても一緒に行くことが嫌で、無理を押しきって一人でここに住むことを理解してもらった。
「仙台もいいところなのに」と母は少し悲しんだ。
仙台がいいところなんて、私は幼い頃から充分知っている。何度もおじいちゃんに会いに行っているから。
杜の都と呼ばれるほどの自然豊かな、人ののんびりな、そんな空気が私も好きだったが、それでも二十歳のあの時に引っ越せるほどこの町に未練がないわけではなく。
友達もそれなりにここにいるし、やっぱり生まれ育ったこの町が大好きだし。
私がこの町を出るのは、嫁ぐ時でいいじゃないかと思っていたのだ。
「さとみちゃんの気持ちもわかるね。だからご両親も理解したのかもね」
「仙台に帰りますっていう意見が突然すぎるって、父自身も意識してたのもあるんじゃないかなあ。夜空君は?ここが実家?」
「俺もここで独り暮らししているよ。正確に言うと、若林のほうだけど」
若林は三軒茶屋から歩いて15分ほどの近いところだ。夜空くんは22歳の時に地元から上京したらしい。
「あれ?それなのに、花は配送じゃなくて持ち帰りにしたの?」
「うん、ちょっとね。そういえば……」
夜空くんはさりげなく話をそらして違う話でまた盛り上がった。
私も深く追求しないようにする。
夜空くんは話せば話すほど、自分だけの世界を確実に持っていることを伺わせた。
趣味が手芸だと聞いた時は、メルヘンチックで笑ってしまった。
「男が手芸って言ったら笑っちゃうかもしれないけど、一本の毛糸がひとつのマフラーになったりするのは感動ものだよ?同じ糸を俺の手で絡ませてあげてひとつにさせるなんて、恋のキューピッドになった気分だよ」
それを照れることなく満面の笑みで話した夜空くんは本当に素敵で、その考え方も素敵で、夜空くんだからキューピッドになれるんだと思った。
人との出会いやフィーリングって、ほんとに不思議だ。
「さとみちゃんて、ずっと三茶に住んでいるの?」
「うん。生まれも育ちも三茶」
「じゃあ今も実家なんだ?」
「それが一人で暮らしているんだよ。父と母は父の実家の仙台に帰ってしまったから」
父と母は仙台出身だ。
五年前、父が実家に帰ろうと言い出したが、三軒茶屋が大好きな私はどうしても一緒に行くことが嫌で、無理を押しきって一人でここに住むことを理解してもらった。
「仙台もいいところなのに」と母は少し悲しんだ。
仙台がいいところなんて、私は幼い頃から充分知っている。何度もおじいちゃんに会いに行っているから。
杜の都と呼ばれるほどの自然豊かな、人ののんびりな、そんな空気が私も好きだったが、それでも二十歳のあの時に引っ越せるほどこの町に未練がないわけではなく。
友達もそれなりにここにいるし、やっぱり生まれ育ったこの町が大好きだし。
私がこの町を出るのは、嫁ぐ時でいいじゃないかと思っていたのだ。
「さとみちゃんの気持ちもわかるね。だからご両親も理解したのかもね」
「仙台に帰りますっていう意見が突然すぎるって、父自身も意識してたのもあるんじゃないかなあ。夜空君は?ここが実家?」
「俺もここで独り暮らししているよ。正確に言うと、若林のほうだけど」
若林は三軒茶屋から歩いて15分ほどの近いところだ。夜空くんは22歳の時に地元から上京したらしい。
「あれ?それなのに、花は配送じゃなくて持ち帰りにしたの?」
「うん、ちょっとね。そういえば……」
夜空くんはさりげなく話をそらして違う話でまた盛り上がった。
私も深く追求しないようにする。
夜空くんは話せば話すほど、自分だけの世界を確実に持っていることを伺わせた。
趣味が手芸だと聞いた時は、メルヘンチックで笑ってしまった。
「男が手芸って言ったら笑っちゃうかもしれないけど、一本の毛糸がひとつのマフラーになったりするのは感動ものだよ?同じ糸を俺の手で絡ませてあげてひとつにさせるなんて、恋のキューピッドになった気分だよ」
それを照れることなく満面の笑みで話した夜空くんは本当に素敵で、その考え方も素敵で、夜空くんだからキューピッドになれるんだと思った。
