センチメンタルブルー

ピラフを食べ終わり、食器を片付けてから脱衣所に向かう。
Tシャツとジーパンというラフの代表とも言える服装が、私の毎日の服。
それらを乱雑に脱ぎ捨て、一糸まとわぬ姿を鏡に写す。

悪くない身体してるとは思う。

出るとこは出ている気がする。
だけど出てほしくないところも出てきた気がする。

男性経験がないわけではない。
恋愛に奥手と言えど、付き合った人は二人ほどいる。

セックスがホットチョコレートのような甘い甘い行為だと思っていた私は、処女を失った18歳から今の今まで悲しい思いばかりしてきた。

喘げない、感じることができない、愛してると思えない。

付き合った男のことはもちろん好きだった。それなりに大恋愛だった。
性の不一致と言ってしまえばそれまでだけれど、行為自体が苦痛なわけではなかった。
愛を感じることを知らぬまま、セックスという行為だけを行う。

友人には「彼氏のテクがないんじゃないの!?」なんて笑われたこともあった。

でも、違う気がする。
テクニックとか、そんなんじゃなくて。
あぁもう恥ずかしいけれど、魂が震えるような、お互いの心がとろとろに溶けてしまうような、そんな心で感じるセックスができていないのだ。今までの彼も、私自信も。