センチメンタルブルー

「えっ?」

月本さんは誰から見てもわかるくらい、頭にクエスチョンマークが浮かんでいた。

「いや、あの…なぜかわからないんですけど勝手に言葉が!ああ、気にしないでください本当すみません……」

困惑してる月本さんを見て、私は心の底からしくじったと思った。

しかしそこからますます私は月本さんに対して魅力を感じる言葉を耳にする。

「俺、女の子から誘われるなんて滅多になくて。ちょっと嬉しいな。ありがとう」

そのあとに

「でもごめん、携帯電話って俺持ってないんだ」

と言った。

「え、そうなんですか?」

「うん。だからね、事前に連絡とかできないんだ。だから今ここで時間決めてもいいかな?」

それはえーとつまり。
一緒にお食事が出来るというわけであって。

「いいんですか!?」

つい大声を出してしまった。
横で花の栄養材を説明している好美さんとお客さんがこちらを向いた。

「すいません、大声出しちゃった。い、いいんですか?」

「ぜひとも、行きましょう。どこにしますか?」

「で、では19時に、キャロットタワー前でいかがでしょう」

「わかりました。19時ですね。じゃあ、あとで」

そう言って、月本さんは店を後にした。