「はーぁ・・・、失敗した・・・」 これが博士の常絶句である。 今も彼は、片手で頭を掻きながらその言葉を口にする。 −−この姿も久々に見たなぁ・・・。 梨苑はそれをぼんやり見ながら、密かに、泣きたくなるのを我慢した。 「そ、そう言えば、今日、持久走やったよ!!」 「・・・持久走??」 博士は、あからさまに訝しげな顔をする。 言いたいことを読み取った梨苑は、 「普通のタイムだった!!」 と、彼が言うより先に声をあげた。