「華乃ー、帰ろ」

「はやくー」

『千代(ちよ)ちゃん、紗規(さき)ちゃん、ちょっと待ってね』

次の日の放課後、ダルい授業やHLを終えると親友の千代ちゃんと紗規ちゃんが迎えに来てくれた。

琉綺くんとは帰らない。
だって琉綺くんは、他の子と帰るから。
付き合い始めた時からなにも変わらない。

『お待たせ、帰ろっか』

そう言って2人と一緒に教室から出ようとしたら、突然千代ちゃんに腕を捕まれる。

『どうしたの?』

「今は、ダメなの。あとちょってだけ、教室にいようよ?」

『千代、ちゃん…?』

「どうしたのよ、千代」