そうだった!
あたしの靴を買いに来たのよ。
だけど、こんな高級なお店の物なんて似合わないって!
そもそも、こんな美人な店員さんと並ぶのもイヤなのに…。
「もちろんありますよ!この方、章人さんの彼女さんですか?」
ええっ!?
何てこと言うのよ!
「違うよ。こいつは今日から、オレの秘書になった美月」
あたしより先に、アッサリ否定した専務に、ちょっとムカついた。
否定したいのは、こっちも一緒だっての!!
「そうなんですか?みんな、章人さんは浮いた話ばかりで、本命の彼女さんがいないねって噂していたんですよ?」
ちょっと意地悪く言った志帆さんに、専務は笑った。
「そんな事言ってたのかよ。まだまだ、運命の女性に出会えてないもんで」
何が運命の女性よ。
ただ単に遊びたいだけでしょ?
二人の会話を黙って聞いていると、志帆さんがあたしを促した。
「こちらへどうぞ、美月さん。素敵な靴がたくさんありますから」

