「あら!?お久しぶりです章人さん!!」
黒いスーツを身にまとい、髪をアップにした美人な店員さんが愛想良くやって来た。
20代後半くらいか、顔が小さく肌がキレイな、折れそうなくらい細い女性だ。
専務とは顔見知りらしく、かなりフランクな感じで接している。
「帰国されたと聞いて、お待ちしておりました。ニューヨーク店から、電話があったんですよ」
ニューヨークは、専務が帰国までいた場所だ。
へぇ。
本当に、こんな高級店の常連さんなのね。
初めて入ったあたしには全てが物珍しく、店内を見回していると、ふとポスターが目についた。
外国人を使ったイメージポスターだけれど、カップルをイメージしているのか、色っぽい感じで男女が抱き合っている。
あたしも、この人たちのほんのひとかけらでいいから、華やかさがあればなぁ…。
なんて、小さくため息をついた時、
「なあ、志帆(しほ)さん。こいつに何か似合う靴あるかな?」
専務の声で、我に返ったのだった。

