「湧きませんよ!あたしは止めて欲しいんですけど」
「何でそんなに怒るんだよ?男友達からも、呼ばれたりしないのか?」
そう言われて、あたしは何も言えなくなった。
だって…。
「あたし、そんな親しい男友達なんていないんで」
そう。
これは、かなりのコンプレックスだけど、周りにいる華やかな女の子たちとは違って、あたしの私生活は相当地味だ。
友達自体の数が少ない上に、異性の友達なんて皆無。
たまに、同級生に出くわすと挨拶はするけれど、それ以上の会話はない。
だから、専務の様な華やかで明るい人が憧れでもあり、嫌いでもあるというわけ。
「へぇ。美月、今までに付き合ったヤツは?」
これも、よく聞かれるセリフ。
しかも異性に。
男友達がいないと言うと、きまって聞かれるんだからイヤになる。
バカにされてるんだろうなって思うから…。
「一応、二人ほどは…」
どちらも大学生の頃に付き合った、真面目な同級生の彼氏。
もちろん、体の関係もあったけれど、それ自体にドキドキ感も幸せな感じも見出だせなかったのだ。
そんな経験が、どことなくあたしを恋愛から遠ざけてる理由になっているんだけど…。

