「本当に申し訳ありませんでした!」
なんとか、初日のスケジュールを終え専務室へ戻ったあたしは、早々に頭を下げた。
最後の現場からは、すぐにタクシーに乗り込み、ここまで帰ってきたのだけど…。
その間も、歩く時には専務がさりげなく、腕を掴んでくれていたのだった。
「だから言ったろ?ハイヒールはやめろって」
「はい…。明日からは履きません。今日、靴を買って帰りますので」
ため息をつきながら専務はデスクへ着くと、さっそくメールのチェックを始めた。
本当に最悪…。
変なこだわりを持ったばかりに、かえって仕事で迷惑をかけてしまったなんて。
もう、何も話す気にならないのか、専務は黙ったままメールを読んでいる。
あたし、部屋を出て行った方がいいのかな…?
いたたまれない気持ちで、そんな事を考えていると、
「よし!今夜はこれで帰れそうだ。美月、行こうぜ」
「えっ!?行く?」
パソコンを落とした専務は、引き出しから鍵を取り、あたしにチラつかせた。
「靴を買いに行くんだよ。やっとオレの言った意味が分かったろ?」

