陽も傾きかけた頃、あたしたちは区役所へと出かけ、記入しておいた婚姻届を提出した。
「意外とアッサリ受け取るものなのね」
「事務的なものと言われれば、それまでだからな」
章人は、苦笑いを浮かべる。
本来なら、ここから二次会となるところだけれど、妊婦のあたしに周りが気を遣い、日を改めて昼間に行われることになった。
「美月、ごめんな。式の後なのに、あまり余韻にも浸れなくて」
婚姻届の提出後、真っすぐ帰った事を気にして、章人が謝ってきた。
忙しい身なだけに、明日も仕事で早い。
だから、あたしから真っすぐ戻る様に提案したのだった。
「それは気にしないで。あたしは充分よ。あんなに、皆にお祝いをしてもらえて」
家に着き、ソファーに座ったあたしに、章人は部屋の奥から何か箱を持って来た。
長方形で薄いベージュ色の包装紙で包まれ、金縁の赤いリボンで結ばれてある。
「誕生日おめでとう美月」
「もしかして、プレゼント?」
自分が誕生日だった事は、途中までは覚えていたのに、すっかり頭から抜けていた。
「そうだよ。プレゼント。開けてみて?」
「あ、ありがとう…」
思わぬサプライズに、あたしは緊張しながら、包装紙を開けていった。
一体、何が入っているんだろう。

