そう言ったあたしに、章人は優しく微笑んだ。
「似合うな、美月は。ドレスも着物も」
「それは章人も。でも章人は、着物の方がより色っぽいよ」
着付けの人もいない部屋で、二人きりのあたしたちが、甘い空気を出さないわけもなく…。
章人はあたしの頬に軽く手を触れると、優しく唇を重ねた。
「どんだけ、我慢出来ないんだよって感じだけど」
なんて、照れ笑いをしているけれど、あたしはどこか物足りなくて、章人にお願いをしたのだった。
「もっと、キスして?」
こんなにも、こんなにも人を好きになった事はなかった。
そんな溢れる想いを、いつも章人は受け止めてくれる。
「いいよ。もっとキスをしよう。オレも、もっとキスがしたい」
重ね合う唇からも、こぼれる愛情。
どんな言葉にしても足りなくて、ずっとずっと側にいたい。
それぐらい、あなたが好き。
だけど、本当はもっと伝えたい想いがあるの…。
それからすぐに、披露宴が始まり、あたしたちは担当の人に呼ばれた。
この数時間は、夢の様に幸せだったけれど、本当の幸せはこれから…。
あたしが、本当に章人の“妻”となれるその瞬間まで。
後、ほんの少し…。

