「おめでとう~!」
絢や他の友人達、そして家族たちからの祝福の声。
チャペルを出て、戸外の螺旋階段を降りるあたしたちに、花びらのシャワーが降り注ぐ。
階段の中央には、バージンロードと同じ赤い絨毯が敷かれている。
「美月、転ぶなよ?」
「ありがとう章人。大丈夫、気をつけるから」
章人の腕に絡ませる手に力を入れ、ゆっくりと階段を降りる。
「蒼衣さんが来れなくて残念だったね」
「残念なのは、あいつの方だよ。美月のウエディングドレス姿を、楽しみにしてたからさ」
「あたしも、見て欲しかったなぁ」
蒼衣さんは今月、赤ちゃんを出産予定だ。
臨月な事もあり、結婚式には欠席をした。
蒼衣さんの旦那さん、秀二さんは来てくれたけれど…。
と、そんな事を考えていた時、
「章人、美月さん、おめでとう」
階段を降りたところで、秀二さんに声をかけられた。
「秀二!ありがとう」
章人は顔を明るくして、小走りで駆けようとする。
だけど、あたしが腕を組んでいる事を思い出し、足を止めたのだった。
そんな章人を見て、秀二さんは笑った。
「章人が、そこまで誰かに惚れ込んでる姿は、初めて見た気がするよ」
「おい、変な事を言うなよ」
顔を赤らめた章人は、少しむくれる。
それにしても、秀二さんて本当にカッコイイ。
章人は、顔立ちが派手なイケメンだけど、秀二さんは薄い顔立ちのイケメンだ。
整った目鼻立ちに、少し垂れた目元。
その顔を見ていると、ついウットリしてしまう。
章人もだけど、秀二さんも背が高いから、二人並ぶと迫力があった。
「蒼衣から、今朝も二人の結婚式に行けれなかったのを愚痴られたよ」
苦笑いの秀二さんに、章人はアッサリと答えた。
「まあ、仕方ないよな?予定日は、あさってなんだろ?」
「ああ。だから、大人しくしてろって言ったんだけど…」
と言った秀二さんは、あたしに目を移した。
「美月さんも体には気をつけて。お互い子供は同級生だから、これからも仲良くしてね」
「は、はい!!もちろん」
突然話しかけられ、思い切り動揺したあたしは、声が裏返る。
そんなあたしを、秀二さんは笑っていたけれど、章人は睨みつける様に見ていたのだった。

