目を細める蒼衣さんに、あたしも小さく微笑んだ。
「週末の結婚式にもう一度、美月さんに会えるのを楽しみにしているから」
「はい。あたしも、花嫁姿の蒼衣さんに会えるのを、楽しみにしています」
あたしたちは、そんな会話を交わすと、その後は取り留めのない話しをした。
蒼衣さんは、キリのいいタイミングで家を後にし、その夜章人に昼間の事を話したのだった。
すると、
「これでもう、不安は何もないだろ?これからは、オレを信じて、オレだけを見ろよ?」
そう言って、あたしはまた章人に抱かれた。
そして週末、無事に蒼衣さんの結婚式に出席したあたしは、チャペルで号泣をしてしまったのだ。
人の結婚式なのに、その厳かな雰囲気や、周りの祝福の声に感動をしてしまったから。
声を詰まらせ泣くあたしを、章人と和久社長は呆れて見ていたけれど…。
来年は、あたしもこんな風に章人と結婚をするんだ。
そう思うと、余計に泣けてくる。
ハンカチで顔の半分を覆ったあたしを見て、和久社長が耳元で囁いた。
「美月さん。ブーケトスには参加しちゃダメだよ?」
「何で?」
思わず睨むあたしに、和久社長は悪戯っ子の様な笑顔を浮かべる。
そして章人は、聞こえない振りをして、式を見ていた。
「だって、美月さんは結婚が決まってるだろ?あれは、次に誰が結婚出来るかが決まるものなんだ。予定がある人はダメだよ」
「ええ~!?」
思わず声を出したあたしに、章人は思い切り睨むと言った。
「静かにしてろ」
「ごめんなさぁい…」
肩すくめるあたしに、笑いを堪える和久社長。
そんな和久社長の足を、あたしは思い切り踏んでやったのだった。

