………
……
「悪かったな美月。なんだか、思った以上に重たい話しだったな」
帰り道、章人の運転する車で、あたしたちは帰っていた。
「ううん。むしろ、あんな大事な話しを聞かせてもらえて、嬉しいくらいよ」
笑顔を向ける章人の顔は、今までにないくらいにスッキリとしている。
今まで、社長と奥様が言えなかった真実。
それを聞いた章人と和久社長は、ようやくお互いの誤解が取れたのだった。
今ある家族を大事にしたい、その親心で真実を隠していたのに、皮肉にも兄弟の不仲の原因になっていたなんてね。
「ねえ、章人。和久社長が最後に掛けた言葉、あたし感動しちゃった」
「そうだな。それは、オレも一緒だ」
お互いの気持ちを理解し合った二人は、実家を後にする間際、こんな会話をしたのだった。
「和久。お前が美月に言った言葉、もしお前に抱かれたら、そんな女をオレは受け入れられるほど、器は大きくないってやつ。覚えてるか?」
「覚えてるよ。何だよ兄貴。蒸し返す気か?」
苦笑いを浮かべる和久社長に、章人は余裕の笑みを返した。
「あいにくオレは、好きな女なら、どんな事実も受け入れるよ」
と、そう言ったのだった。
「兄貴らしいな。でも本当は、オレもそう思ってるよ」
「和久?」
思わぬ素直な返事に、章人は拍子抜けしていた。
「兄貴は、オレを腹違いの義理の弟だと思ってるだろうけど、オレは一度だって、義理の兄貴だなんて思ったことはないから」

