和久社長との一件があってからの初めての休日、あたしは章人の実家に呼ばれ、二人で向かった。
そこには、社長と奥様、そして和久社長がいたのだった。
呼ばれた理由は、社長と奥様があたしに謝罪をしたいのと、話したい事があるかららしいけれど…。
「は、初めまして。佐倉美月と申します」
通された和室で、あたしは用意してもらった座布団を下りると、深々と頭を下げた。
「アハハ。佐倉さん、初めましてなのは家内だけだ。そんなに緊張しなくていいよ」
社長は、普段と変わらず気さくで、上座に座り笑っている。
「いえ…。本日はご招待頂き、ありがとうございました」
緊張しないわけがない。
章人の実家は、あたしの実家の三倍、いやそれ以上ありそうな立派な純和風の造り。
大きな松の木が植えられていて、側には丸い形の池があり、小さい子供なら泳げそうなくらい大きかった。
駐車場には、高級車が三台も停まっていたし…。
そして何より、奥様がキレイ。
上品で優しそうで、義理とはいえ、章人のお母さんだと思うと尻込みをしてしまう。
ゆっくりと頭を上げると、奥様が申し訳なさそうにあたしを見ていた。
「お礼を言うのはこちらよ。わざわざ、お越しいただいてありがとう。そして、申し訳なかったです。和久の事は…」
頭を下げた奥様に、
「やめてください!何もなかった事なので」
と、慌ててフォローをする。
すると、奥様から少し離れた場所にいた、和久社長も頭を下げたのだった。
「美月さん、本当にごめん。美月さんに、やってしまった無礼は謝るよ」

