しまったと思ったけれど、今更隠しても仕方ない。
「だったら、どうなの?」
「認めるんだね。これでますます、美月さんを犯したくなった」
「お、犯す!?」
生々しい言い方に、あたしは一気に血の気が引く。
「本気なの…?」
「本気だよ。当たり前だろ?兄貴と言っても、まるで似てない異母兄弟だ。兄貴はね、弟に犯された女を愛せるほど器は大きくないよ?」
そう言うと、和久社長はあたしにキスをしようとした。
「や、やめてよ!」
とっさで交わし、なんとかキスは免れる。
「美月さん、悪あがきはやめなって。こんな夜中に、誰も助けに来ないよ?兄貴とするみたいに、キスをしよう」
と、その時、部屋の外で何か物音がしたけれど、あまり気にせずあたしは気付くと和久社長の溝落ちを思い切り蹴っていた。
許せない。
和久社長もだけど、こうやって隙を作る自分が許せなかった。
だいたい、章人にも、最初はいいように体を使われていた気がする。
「うわっ!」
不意打ちに、和久社長はよろめき、お腹を抑えその場に倒れ込んだ。
「な、何をするんだよ!」
苦痛で顔を歪める和久社長を見下ろすように、あたしは仁王立ちをした。
「それは、こっちのセリフよ!この鬼畜兄弟!!」
「は…?」
突然、タンカを切ったあたしに、和久社長はア然としている。
「誰が兄弟似てないって?あたしから見ればね、二人はよく似ているわよ!そのすぐに押し倒すところがね!」

