「み、美月!」
あたしのキスが、よほど予想外だったのか、章人は驚いた声を上げる。
「キスをしたくなったの。なんだか…章人を守りたくて…」
うまく言葉が見つからないけれど、強気な性格の裏には、そんな寂しさを抱えていたのだと思うと、無性に愛おしく感じた。
あたしが救えたら…。
少しでも慰めになれたら…。
そう思ったら、キスをしていたのだった。
「さっきのオレからのキスも、同じ気持ちだよ。意味もなくキスをしたんじゃない」
優しく微笑む章人に、さらにキスをする。
そんなあたしを抱きしめると、章人は言った。
「どうしたんだよ美月。オレとの関係を終わらせたいんだろ?こんな事をされたら、止められないんだけど」
「教えてよ章人。お願いだから、本当の気持ちを教えて」
全てを知って、それでも受け止められると確信したら、あなたにどうしても伝えたい想いがあるから。
すると、あたしを見つめる章人は、真剣な顔で言ったのだった。
「オレが名前で呼んで欲しいと言ったり、蒼衣を忘れられないでいるのは、オレ自身を受け入れて欲しいから」
「章人…」
「ずっと誰かに、理屈抜きで愛されたかった。美月と同じだよ」

