真っすぐ見つめるあたしの目を、章人はそらさずに見つめ返す。
「本当は、誰かに愛されたいの。でもそれを、あなたに望まないから。だからせめて、こんな関係を終わりにしたい…」
そこまで言い終わると、章人は突然キスをした。
「ちょ、ちょっと…!話聞いてた?」
「聞いてたよ。当たり前だろ?」
「だったら何で…!」
反発するあたしを、話せない様に唇を塞いでくる。
「美月と一緒だからだよ」
「一緒?」
「そう。家庭に孤独を感じているのは、オレも同じだから」
その言葉に、絢の話を思い出す。
「章人、和久社長と異母兄弟だったんだね…」
「お前、そこまで知っているのか!?」
さすがに驚いたのか、キスを止めてあたしを見下ろした。
「絢から聞いたの」
「そうか…」
うなだれる様にため息をつくと、そのままベッドへ寝転がる。
「章人?」
その様子に今度は、あたしが起き上がり見下ろしたのだった。
「聞いちゃマズかった?」
「そういうわけじゃないよ。ただ、オレの口から言いたかっただけ」
恨めしそうにあたしを見る章人に、なんて言っていいのか分からない。
すると、章人は両手を伸ばし天井を見つめながら話を始めた。
「母さんは優しい人で、和久と分け隔てなく育ててくれた。だけど、やっぱり違うんだよな。オレは“本当の子供じゃない”オーラを感じてた」
笑う章人を見ていると、あたしは笑えない。
代わりに、気が付いていたらキスをしていたのだった。

